広島県立美術館

るりみつどり

須田国太郎, 油彩, 画布, 1956年
     
首をもたげ、花の方を向いた鳥。重複する鳥の輪郭線が、軽快な動きを表すようです。 須田国太郎(1891-1961)は、京都市出身。京都帝国大学で美学・美術史を学び、大正中期に渡欧。帰国後は独立美術協会で活躍しつつ、西洋の表現様式の単なる引き写しではない、東洋の歴史や文化と融合した絵画を目指しました。 本作では、絵具を削り落とすことで、重層的な色彩と変化のある絵肌を獲得。要所に明るい色を配し、黒という色の魅力を際立たせた画面からは、油絵具の特性を活かした造形手法とともに、東洋的色彩への志向も感じられるようです。(藤崎綾)
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